iJAMP自治体実務セミナー レポート

観光立国実現に向けて〜訪日外国人を地方に呼び込め〜

「ご挨拶」

衆議院議員自民党総務会長 二階 俊博 氏

私は観光の関係で、1100人の皆さんをお連れして、今朝までインドネシアに行っていました。インドネシア訪問を利用して、一度(2004年のスマトラ島沖地震による津波被害の)お見舞いがしたいと思っていた。あの大災害のあったアチェにも思い切って伺いました。ジャカルタから飛行機で3時間かかるところで、どれくらい遠いか想像がつくと思います。

アチェ州の知事が言うには、犠牲者の総数は24万人ということでした。災害から10年が経過し、残念ながら記憶は風化しつつあります。最近では、災害発生時のような国際社会からのお見舞いとか、ボランティアが出かけてくれるということも、10年という時間の経過でほとんど立ち消えになっているわけです。今、私が何を言いたいか。人の往来がある。つまり、観光でみんなが往来してあげると、その地域を復活させることにつながるわけです。

アチェで中学校を訪問しました。日本語で「津波が来たらどうする?」という意味の歌ができていて、それを歌ってくれました。考えてみれば、その災害があったころ、(生徒は)まだ三つか四つだったことになります。そんな子どもたちが成長して、本当に、一目見て素晴らしい子どもだと思いました。そこで感じたのは、もっともっと大きくなって日本に行きたい、遊びに行きたい、あるいは日本で勉強したい。そういう気持ちがあれば、日本は受け入れる用意があるということを申し上げてきました。

私はたった今、帰国したばかりです。その関係もあり、皆さんにアチェでの体験を申し上げました。時事通信社や成田国際空港会社がこの旅行観光について、大変な関心を寄せていただいていることに心から感謝します。特に最近は地方をどうするかが大きなテーマになっています。その意味で、観光をご支援、またご指導をいただくのは大変うれしく思います。こうして皆さんにお目にかかって、観光問題がみんなの力で、だんだんとプレイアップ(大きく扱う)している姿を本当にうれしく思います。

私も観光産業に隅の方でちょっと携わってから20年になります。観光自体が「何のことだ?」という時代から携わっていたわけです。今、ようやくみんなが観光産業は大事だと認識してくれています。皆さんもお感じになっておられると思いますが、知事や市町村長で観光を語らない人はもう誰もいません。しかし、語るだけの人も中にはおられます。

この前、私が一緒に行きました山梨県、高知県、愛媛県、これらの知事のプレゼンテーションはレベルが高く、玄人を抜いています。立派なものでした。それほど進んできているところがどんどん増えてきています。どうぞこれからも、この観光セミナーを支えていただきますことを心からお願いします。私も(会長を務める)全国旅行業協会をお預かりしております。少しでも、一歩でも前へ進むことができたら幸いだと思っています。(了)

二階 俊博(にかい・としひろ)氏

和歌山県出身。1961年中央大学卒。和歌山県議会議員を経て83年12月衆議院議員当選。90年2月運輸政務次官、92年9月全国旅行業協会長、2005年10月経済産業大臣、13年1月自民党総務会長代行などを経て、14年9月より現職。

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