ジェットスターグループは、グループという名の下に5社が運航している。2004年にジェットスター航空がカンタス航空の100%子会社として作られ、同年にジェットスターアジア航空というシンガポール拠点の会社が運航を開始。08年にジェットスターパシフィック航空、09年にはジェットスター航空のニュージーランド国内線の会社が、12年になって日本にジェットスタージャパンが誕生して7月に運航を始めた。
グループ全体では保有機数が130機を超えており、就航国・地域は18カ国・地域で、計80都市以上、週間便数は5000便以上となっている。その5社が集まってジェットスターという一つのブランドを売って搭乗してもらっており、ホームページ、ウェブサイトも一つだけで、言語だけ違うものになっている。お客さまは、基本的にはジェットスター航空なのかジェットスタージャパンなのかは意識しないで、行きたい路線、区間を検索して、それを購入するようになっている。
ジェットスターグループは、アジア、オセアニアで年間3700万人以上のお客さまに利用してもらっている。飛行機は、基本的にはエアバス321、320で、ボーイング787も数年前に導入して長距離での効率運航に役立てている。社員は950人弱で、このうち800人弱くらいがフロントラインで、成田空港本社とオペレーションに社員がおり、就航地や海外の空港は成田からリモートで行う仕組みだ。
当社へのお客さまからの要望の第一は低運賃。区間によっては3470円という値段で買える。国際線でも4900円という運賃も用意している。当社は人材や機材の8割5分ぐらいを国内線に割いている。国内の路線数は12月以降21路線、便数は1日100便以上で、国内線のマーケットシェアは5割以上だ。最も大事なことは安全。カンタス航空、オーストラリアの航空会社は就航以来、一度も人身事故、人命事故がない会社で、その安全基準はそのまま子会社、孫会社が引き継いでいる。これをベースに日本の安全基準をパスして認可をいただき、運航している。
12月19日には成田-高知、関空-高知で就航。19年春には沖縄の宮古島に隣接し、3000メートル越えの滑走路を持つ空港が開設される下地島に就航を予定している。私どもは成田を自分たちの母港、基地に選んで6年あまりやってきた。
お客さまは全体の7割ぐらいが成田を発着する。当社も6割ぐらいが20代、30代以下のお客さま。地方のコンサートツアーに首都圏の方がLCCを使っていかれるような事例も多く見受けられる。
当社は、オーストラリア、アジアには強いわけだが、お客さまは国籍とか日本の国内線も意識せずに、同じウェブサイトを見て国際線に乗り、日本の中も旅するスタイルが可能になっている。コードシェア便もあり、アメリカン、日本航空、カンタスのお客さまが日本の国内線をジェットスターが運航するコードシェア便で地方に行くような流れも多く見受けられる。裏を返せば、地方の方もこうした提携を使って成田から海外に便利に行っていただけるわけだ。
成田国際空港を基盤とした挑戦ということだが、2020年、21年とイベントが目白押しとなり、万博も予定されている。こういったものに対して成田空港も、増床とか夜間飛行制限の緩和も進む見通しで、待ち遠しいところだ。さらに2020年代には第3滑走路も実現して発着回数が増えて、もっと自由に飛べることになっていくと予想されるため、成田空港がLCCにとってもさらに使いやすく、お客さまにとってもより使いやすくなることが肝要かと思っている。