本日はお招きいただくとともに、ご挨拶の機会をいただいたことに感謝する。本日のセミナーのテーマは「地方空港とリージョナル航空の可能性を考える」というものだ。地方創生や、観光立国を目指すわが国においては、地方航空路線や、地方空港の果たす役割は大きなものとなる。
この中で、おおむね100席以下のジェット機等を使用するリージョナル航空は、地方航空路線の新たな担い手として、今後のさらなる発展が期待されている。これら地方航空路線の充実には、地方自治体や企業等の地元関係者のご理解と、発着地双方の地域間交流が重要であり、本セミナーが各地域の関係者の皆さまのご理解を深めるきっかけとなると期待している。
他方、航空輸送の充実には、空港の環境整備も必要で、国土交通省も昨年7月に27の地方空港を訪日誘客支援空港として認定し、国際線の新規就航・増便にかかる着陸料の割引、ボーディングブリッジの整備等の支援を行っており、昨年と比べて19空港で計35路線、週103便の旅客定期便が増加するなど、着実に国際線誘致が進んでいる。
◇一層の交流人口の拡大が必要
滑走路等の基本施設とターミナルビルを一体として、空港運営を民間に委託するコンセッション方式も推進している。国が管理する空港では仙台空港、高松空港で民間運営が開始されており、仙台空港では昨年度の利用客数が過去最高となるなど、民間の創意工夫が発揮された運営が進められている。今後も来年4月の福岡空港から熊本空港、広島空港のほか、北海道内7空港の一括民間委託など、コンセッションの実現に向けた手続きが進められている。
今後見込まれる人口減少時代に地域の振興を図るには、より一層の交流人口の拡大が必要で、リージョナル航空やコンセッション等の新たな手法は、これに資するものとして大変有用ではないかと考えている。本セミナーが、ご来訪者の皆さまが一緒になって考え、議論をし、リージョナル航空や地方空港の発展、ひいては将来の地域振興の実現を見据えた有意義な時間となるよう祈念してご挨拶としたい。