◇長続きする関係を
赤穂、田辺両市の連携に関して赤穂市の永石氏は「赤穂は農業の面ではまだまだだが、今後、塩を生かした取り組みが広がっていくのではないか」と述べるとともに、自治体同士の連携がJAや企業を巻き込んだ関係に発展することに期待感を示した。田辺市の廣畑氏は「技術的な苦労はあったが、結果的にカルシウム濃度が通常の梅干しは100㌘中24㍉㌘なのに対し、100㌘中150㍉㌘の梅干しが出来た。これはイワシの丸干し100㌘に含まれているカルシウムと同じくらいの濃度だ」と報告。「人間同士のつながりが大事だ。相手のことをよく理解し、それに応えていく。ただ、背伸びをせず、お互いにできる範囲で協力していく。これが長く続く連携の仕方ではないか」と語った。
◇背景にストーリー
金井氏はコメの輸出戦略にも言及した。
紀州藩初代藩主、浅野幸長と赤穂浅野家始祖、浅野長重は戦国武将、浅野長政の長男と3男。赤穂四十七士は、熊野本宮大社の牛頭(ごず)神符を連判状に用いた。こんな両市のつながりを踏まえて大和田氏は「都市と農山村の課題、地域資源などさまざまなものをつなぐ真ん中にあるのはストーリー。ストーリーが重要で、消費者も産地がどういう歴史を持っているかということについて興味が湧いてきている」とコメントした。