iJAMP自治体実務セミナー レポート

観光立国と地方創生 〜日本版DMOが地域を変える〜

【基調講演②】
「持続可能なインバウンド戦略〜訪日プロモーションによる情報発信〜」

日本政府観光局(JNTO)理事長 松山 良一 氏

◇災害報道と現実に差

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日本政府観光局理事長の松山良一氏は基調講演で「外国人客に満足して帰ってもらい、再び来てもらう。そして観光に携わる人々もしっかりもうかるためにはどうするか」とした上で、ビッグデータを活用したマーケティングの高度化や19年のラグビー・ワールドカップ(W杯)、20年の東京五輪・パラリンピックを追い風にした観光客、国際会議の誘致などを目標に掲げた。

松山氏が力点を置いたのは、自然災害やテロ、感染症などが発生した危機における対応だ。大きな自然災害が起きると、海外も含めたメディアが集中的に取材し、全世界に向けて報道される。東日本大震災が発生した11年、東北のインバウンドは対前年比で36%まで落ち込み、日本全体でも72%ダウンした。米CNNや英BBCが流した映像によって、日本全体が津波に襲われたかのような印象を持たれたことが大きく影響している。

「誤ったイメージと現実とのギャップをどう埋めるかが大事だ。震災から3カ月経過したら海外の人たちを呼び、実際に見てもらって彼らの口から正しい情報を発信してもらう。半年以降に、本格的なプロモーションを開始する。これが基本だ」

◇被災地に足運ばせる

観光局は11年、「ビジット・ジャパン」の緊急対応事業として海外の旅行会社約800社、メディア約1000人を日本に招待。英ファッションデザイナーのポール・スミス氏ら世界の著名人から寄せられたメッセージをサイトに掲載した。16年度はCNNを活用し東北地方の今と魅力を紹介する広告を発信。韓国旅行業協会と共催で、同国の旅行会社関係者約250人を対象に東北の観光地を回る視察ツアーも実施した。

どこの国に働き掛けるかも重要なポイントだ。松山氏は「東北のインバウンドは昨年、ようやく震災前の水準に戻ってきた。今年は対前年比で16%改善したが、まだまだ足りない」とした上で、「東北では韓国と香港のインバウンドが落ちた。熊本では韓国が落ちた。その信用を回復するためには、地域を選別して積極的な姿勢を情報発信することが大事だ」と述べた。

松山氏は海外の人々に被災地に足を運んでもらい、見てもらう必要性を繰り返すとともに、「メディア対策に加え、ツイッターやSNSを活用して情報を発信し、安心感を持ってもらうことがやるべき課題だ」と指摘した。

【特別講演①】「熊本市の震災復興とインバウンドの取り組みについて」 >>

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