変わる日本の農業 ~付加価値増の農業経営とは~

講演(2)

「付加価値増の農業に向けて ~知的財産農業の必要性~」

全国農業協同組合中央会常務理事

金井 健 氏
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 例えば、AOCによって品質を保証され、保護されたブレス地方のブランド鶏は、農家に高収入をもたらしている。

 「この鶏には3種類の餌しか与えないため、ミミズや虫など土中生物を掘り起こして食べる。いわば、土地を食べているわけだ。だから、『ブレスの鶏』ということになる」

 ブレス鶏は赤いとさか、白い羽、青い脚が特徴で、フランスの国旗(三色旗)を連想させる。そんなエピソードも価値を高めている。ブレス鶏は人件費や飼育費など生産コストがかかるが、産地直売価格は一般の鶏の4倍だ。

 金井氏はこうした例を紹介し、「地域の名前に付加価値を付ける。地名に着目することが地域活性化の大きなポイントではないか」と語った。

◇コメ輸出に工夫を

 金井氏はコメの輸出戦略にも言及した。

 「いわゆる『2050年問題』というものがある。コメは年間約750万トン消費されているが、毎年約8万トンずつ消費量が減っている。50年に総人口が1億人を切ると、コメの需要量は500万トンくらいになるだろう。コメは日本の国土、日本人をつくってきたわが国の基本だ。水田を維持するためにはマーケットを増やさなければならず、輸出には大きな意味がある」

 ただ、課題もある。金井氏は「日本のコメを食べておいしいと思うのは日本人だ。外国人は味の感じ方が違う。自分の国ではおいしいからと輸出するのは難しい」と指摘し、冷凍ご飯やレトルト、グルテンアレルギーに対応したコメの開発などさまざまな工夫が必要だという考えを示した。

 その上で「2013年に約3100トンだったコメの輸出は、3年間で7600トンに増えた。確実に外国の需要は増えている。輸出は取り組むべき課題だ」と語った。

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