変わる日本の農業 ~付加価値増の農業経営とは~

基調講演

「なぜ今農政改革か」

自民党 農林部会長

小泉 進次郎 氏
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 「日本の人口が1億人まで減ることは避けられない。高齢化も進み、1人当たりの食べる量が減る。国内の市場だけを見ている理由はない。農業の新たな稼ぎに輸出という柱を確率できる環境を必ずつくる」

 米国でも神戸ビーフは有名だ。しかし、兵庫県で牛が育てられ、神戸ビーフとして神戸港から米国に輸出されているわけではない。鹿児島に送られ、米国への輸出許可がある食肉処理場で解体され、米国に渡る。小泉氏は「来年、姫路市に輸出許可が下りる食肉処理場が完成する。そうすれば、神戸で育てられ、神戸から出たビーフを米国人が楽しむ環境ができる。こうしたことを一つ一つやっていく」と説明した。

 小泉氏は「地方創生の鍵は間違いなく第1次産業だ。農業、林業、漁業の発展なくして地方創生の成功はない」と断言。同時に苦境にある中山間地の問題に触れ、「農業関係者との意見交換会で『私は73歳だが、それでも若い方だ。中山間地を何とかしてもらいたい』と言う方がいた。その中山間地の嘆き、叫びを聞いて心の底から考えさせられた」と語った。

◇農協へのエール

 自身の立場に関しては「いろいろなことを言っているのは、私なりの農協へのエールだ」と発言。「『小泉進次郎は農協をつぶそうとしているのか』と時に言われる。もしつぶすのであれば、何もしない。放っておけばつぶれると思うので。つぶさないために『真の協同組合とは何か』、それを問うている」と続けた。

 「残念ながら、経営感覚にあふれ、マーケットを自分で取り、世界の市場を見ながら意欲を持って頑張っている農家ほど農協を利用しなくなっている。そういう組織に未来はないと思う。その状況を放置していれば地方が駄目になる。それは日本の国力の低下につながる。だから、農協を立て直すことで地方の再生につなげていきたい」

 小泉氏は改革をこう位置付けた上で、全国農業協同組合連合会(全農)が扱う生産用資材の価格引き下げに言及。「全国の組織、ネットワークを生かしてロットを確保し、一円でも安く生産用資材を卸す。その共同購入ができるのに、なぜホームセンターの方が安い物があるのか」「農業従事者は約200万人だが、准組合員も含め組合員約1000万人という大ネットワークを持っている。ロットを確保できる買い方、売り方があるはずなのになぜ今のような状況になっているのか」と疑問を呈した。

 その上で改革を険しい登山に例え、「意見の違いを理解しながら、一緒に山を登って行こう。頑張って登った先に、今まで見たことがない景色を一緒に見よう」とJAグループに協力を呼び掛けた。

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