iJAMP自治体実務セミナー

広島(2)

「農村守る責任これからも 〜地方創生、農協が貢献〜」

JA広島北部組合長香川 洋之助氏

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JA広島北部の就農支援を受け、他業種から転職しミニトマト栽培に取り組む新規就農者=2014年8月11日、広島県北広島町本地(JA広島北部提供)

 安倍政権が重要課題に掲げる「地方創生」では、農業の活性化が欠かせない。それには何が必要か。全国の農協(JA)を指導するJA全中の権限を縮小させる農協改革は各地の農業振興につながるのか。農業従事者の高齢化率が全国一(2010年農林業センサスで75・7%)の広島県にあって、思い切った新規就農支援で担い手の若返りに成果を上げつつあるJA広島北部の香川洋之助組合長に、地域農業再生への思いやJA改革に対する見解を聞いた。

 ―JAが地域や農業振興に果たしている役割は。

 JA広島北部では、10年度から自治体と連携して「農業後継者育成支援基金」をつくり、新規就農に力を入れている。地元高校卒業生を対象に県立農業技術大学校2年間の授業料や寮費を全額支援し、その後3年間JAの特別職員として営農研修を積んでもらう。これまでに、大学校在学中を含め12人に助成している。

 ミニトマト、白ネギ、ブロッコリーなど高付加価値の野菜に取り組むグループの支援などを通じ管内農家の所得向上にも取り組んでいる。JA広島北部全体では、現状で40億円台で推移している農畜産物販売高を55億円に伸ばそうという営農振興計画を推進中だ。

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ベテランの生産者(中央)から春作ブロッコリーづくりのこつを学ぶ栽培グループのメンバーら=2014年5月22日、広島県安芸高田市吉田町(JA広島北部提供)

 ―地方創生が叫ばれる中で考えていることは。

 農業が元気にならなかったら地域も元気にならない。農業を通じ地域を維持・発展させるJAの役割は重大であり、農村を守る責任をこれからも果たしていきたい。まずは農業者の高齢化、担い手不足を何とかしなければならず、これまで取り組んできた人づくりをさらに進めたい。管内では、40代以下の農業者のグループ「ひろほく農考会」も立ち上がっており、こうしたグループの活動も積極的に支援する。

 ―JA全中の監査制度撤廃は、農業所得の増加や地域振興につながるか。

 政府から出てきた農協改革の議論は唐突感がある。監査には会計監査と業務監査があり、特に業務監査は、農家の生活に資する健全なJA経営の方向性を示す重要な役割を持っている。監査が所得拡大に向けた単位JAの自由な経営を縛っているということは全くない。農林水産省も数年前は、中央会監査制度は非常に良い制度だと国会で答弁している。次ページに続く ≫

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