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広島(1)

「日本農業引っ張ってほしい 〜農協への期待と注文〜」

広島県江田島市長田中 達美氏

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 瀬戸内海に浮かぶ江田島市は大規模農業に適さず、キュウリなど園芸農業が盛んだ。将来を見据え、オリーブ栽培にも力を入れる。田中達美市長に抱負や農協の役割について聞いた。

 ―農業で地域活性化にどう取り組んでいるか。

 江田島市にあるのは段々畑のような、面積が小さい農業だ。国が目指す農地中間管理機構は比較的大きい規模の農地を集約して大規模化しようという政策だが、ここではできない。今、生き残っているのはビニールハウスで作るキュウリ、トマト、イチゴ、キク、スイートピーなどだ。狭い農地で手間暇もかかるが、付加価値は高い。

 農業を始めるにはハウスを準備しなければいけない。キュウリでも花でも栽培する場合、10アールのハウスで800万円の費用がかかる。夫婦の場合は面積も設備投資も倍になる。行政が予算を付けてハウスのリースができれば、新規農業も拡大できるが、行政が特定の分野に資金を出すのは公正に欠ける。農協(JA)にはハウスのリースなどを積極的に行ってほしい。

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オリーブの植え方講習会=2012年2月、江田島市(江田島市役所提供)

 ―JAが地域や農業振興に果たしている役割は。

 戦後、ずっとJAが地域の農家を引っ張ってきた。JAの果たした役割は大きい。JAには組織力、資金力、マンパワーがあるのだから、日本の農業はJAが引っ張っていくんだという風になってほしい。

 農業だけではないが、ずっと同じやり方で物事を進めると、硬直化してうまくいかなくなる。過疎化が進み、荒廃農地が社会問題になっている。農業では生活が成り立たないと親の跡を継がずに他の仕事に就くようになっているから、社会の変化にも応じないといけない。外国にも目を向け、それに対応して国内の農業政策もやらないといけないが、なかなかそこが対応できてないのが現状ではないか。次ページに続く ≫

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