iJAMP自治体実務セミナー

第1部 基調講演

「利益上がる農業目指す 〜若者の雇用の場創出〜」

宮城県知事村井 嘉浩氏

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(宮城県提供)

 東北一のイチゴ産地の亘理町、山元町では震災前、一人一人が小さなハウスで栽培していた。復興の機会に大規模化、集約化しようと、イチゴ団地を整備した。水耕(高設養液)栽培により農家の負担が軽減され、先進的なモデルになった。これを県全体に広げたい。

 アグリビジネス経営体の育成にも取り組んでいる。13年度で年間販売金額1億円以上の経営体数は94、同年度の農産物直売所の販売金額は81億円と、だんだん増えてきた。自分たちで加工し、販売する。利益を地域に還元する。若い人たちに加工する楽しみを味わってほしい。

 石巻市大川地区は震災前、個別・小規模経営の農業で担い手も高齢化していた。13年に法人を設立し、大規模化した。水稲55ヘクタール、キク93アール。構成員は10人で4割が20〜30代、他県からの移住者もいる。これが大規模経営の最大の意義だ。名取市の会社では、生育や気象データの収集、作業実績の入力、スマートフォンでのリアルタイム情報収集などICT(情報・通信技術)を活用し、稲や麦、大豆の栽培を管理している。大規模経営を実現し、生産コストを削減することができた。新しい農業の一つの形態だ。

 IT企業から参入した農業生産法人がイチゴをブランド化した。スパークリングワインも販売し、海外での富裕層向け高級イチゴの生産・販売も目指している。また、栄養機能成分に富み健康的で食感も良い玄米を開発し、新たな付加価値を生んだりした事例もある。

 成功例を参考にして付加価値が高く、利益が上がる農業を目指したい。大震災を最大の悲劇と捉えるか、逆にチャンスと捉えるかは考え方次第だ。農業地域を日本の中の先進地に変えていきたい。

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村井 嘉浩(むらい よしひろ)氏

1960年生まれ、大阪府豊中市出身。84年防衛大学校(理工学専攻)卒業。同年陸上自衛隊幹部候補生学校入校、同年陸上自衛隊東北方面航空隊(ヘリコプターパイロット)、91年自衛隊宮城地方連絡部募集課。92年財団法人松下政経塾入塾、95年宮城県議会議員(第一期)、99年宮城県議会議員(第二期)、2003年宮城県議会議員(第三期)。05年11月宮城県知事(第一期)、09年11月宮城県知事(第二期)、13年11月宮城県知事(第三期)。

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