少子高齢化や自由貿易交渉の進展など、日本の農業を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。こうした中、明日の日本農業の姿を探る第14回iJAMP自治体実務セミナー「活力ある農業・地域づくりに向けて〜6次産業化、地産地消、農地政策〜」(時事通信社主催、JA全中<JAグループ>協賛)が8月28日、東京・銀座の時事通信ホールで開かれた。
基調講演で林芳正農林水産相は、6次産業化など攻めの政策を起爆剤に農山漁村の活性化を目指す方針を表明。福岡市農業協同組合(JA福岡市)の青栁博・代表理事専務は、地元農産物のブランド化を通じた販路拡大の事例を紹介し、愛媛県今治市の安井孝・玉川支所長は学校給食と地産地消を融合した意欲的な取り組みを披露した。
島根県出雲市斐川支所の勝部宏樹・産業建設課主事と斐川町農業公社の岡忠男・事務局長は、地元との信頼関係に根差した農地集積の実例を説明。最後に、総括・提言で東北大大学院の盛田清秀教授は、農業の大規模化を最重要課題と位置付けた上で、環太平洋連携協定(TPP)参加について「間違った方向性だ」と指摘した。