地方空港はもっとビジネスジェット誘致に力を入れるべきだと考えているが、本日の各登壇者はビジネスジェットもしくはプライベートジェット導入に触れていて非常に心強い。
 鈴与の航空事業グループには、日本最大の地域航空会社と思われるフジドリームエアラインズ(FDA)のほか、その周辺のグランドハンドリングやビジネスジェット受け入れを行う会社など、多くの会社がある。今般、FDAが新たに神戸空港に就航し、神戸―松本、神戸―出雲の新路線を展開する。これにより、松本へは従来の福岡、札幌からの路線に加え、関西からも直接アクセス可能となる。12月20日には神戸―高知の路線も開設する。
 神戸空港については、ある意味で伊丹・関西空港のセカンダリー空港だと認識している。お年寄りや体の不自由な人が乗り換えるとき、羽田や伊丹のような大きな空港は非常に不便。神戸空港が乗り換えに便利で使いやすいことが周知されれば大きな意味がある。
 静岡エアコミュータの事業として、ビジネスジェット機の運航、防災・医療・報道のためのヘリコプターの運航、さらにMRO(航空機の受託整備)事業が挙げられる。静岡空港内に大きな格納施設を持ち、日本で唯一、イタリア・レオナルド社のヘリコプターの整備事業を行っている。そのほか、今後災害などでヘリコプターが活躍することを踏まえ、操縦者や整備士の訓練事業も始める予定だ。
 自家用機にはお金持ちが使うイメージがあると思う。しかし、今までは富裕層しか使えなかった飛行機が一般客も借りられるようになり、総称して「ビジネスジェット」と呼ばれるようになった。その機内はゆったりした設計で、Wi―Fiなども付いてインターネットが使えるようになっている。乗り換えたり、周りを気にしたりしなくていいことから、お年寄り、障害者、ペット同伴者、グループ・家族の利用が増えている。
 地方空港の活性化を考えるとき、セカンダリー空港や離島空港まで含めると話が大き過ぎる。今日は幹線でも準幹線でもない、いわゆる純粋な地方管理空港に絞って話をするが、冒頭話したように、地方空港活性化の手段としてはビジネスジェットの活用を真剣に考えてほしい。近年、中国をはじめ東南アジアでビジネスジェットは急増しているので、これを国内に誘致すべきだ。

◇受け入れ体制の整備重要

 設備整備も重要。オーストリア・インスブルック空港や米国西海岸のナパ、サンノゼといった地方空港はビジネスジェットが多数駐機しているのに、なぜ松本空港や出雲空港には来ないのか。受け入れ体制が全く整っていないためだ。後背地である観光地と一体になった誘致をしていないことも要因だ。
 実際に日本の地方空港間をビジネスジェットで飛ぶと、ほとんどの地方空港で搭乗するまで、あるいは降り立ってからの経路が非常に長い。お年寄りや身障者、海外からの富裕層に対してこんなことでいいのか。受け入れ体制をしっかりつくってほしい。
 体制整備で重要なのは、一つはFBO。簡単に言えば、ビジネス専用のラウンジだ。次は、ほとんどの地方空港で2時間となっている駐機時間の延長と夜間駐機の容認。それからMRO。こうした施設をぜひ地方空港にも用意してほしい。ビジネスジェットの誘致ではFBOとMROがキーワードになるが、日本のほとんどの空港にはない。こうした施設を強化し、宣伝していく必要がある。
 ビジネスジェットの場合、旅客1人当たりが落とす費用は大きく、経済効果も非常に大きいので、施設整備などをぜひ進めるべきだ。静岡空港ではオリンピック・パラリンピックに備え、何年も前から進めている。ビジネスジェット活用による地方空港の活性化にともに頑張りたい。

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