神戸市は臨海地区が市街地なので、空港島を含めた港湾エリアとの交通アクセスが非常に良い。昔から交通の要衝だった。必然的にモノ、人が集まるのが強みでもある。こうした背景を念頭に、空港の利活用を考える必要がある。
ポートアイランド沖を埋め立てて造った神戸空港は2006年にオープンした。神戸の中心地である三宮まで8キロメートルのところにあり、モノレール「ポートライナー」で18分ほどで着く。関空へも「ベイ・シャトル」という高速船で30分程度と非常に近い。滑走路は2500メートル。現在は直行便7路線33往復が就航している。加えて、フジドリームエアラインズ(FDA)の出雲線と松本線が今月27日から就航し、12月には高知便も飛ぶ。ローカル・トゥ・ローカルの起点として、また関空への乗り継ぎなどで利活用の幅が広がると期待している。
 旅客数・搭乗率の推移を見ると、松本空港や丘珠空港の傾向と似ている。日本航空の撤退やリーマン・ショックの影響で2012年ごろまで落ちたが、14年ごろからようやく増加に転じ、18年(暦年)は旅客数313万人、利用率80.7パーセントとなった。
 一方、プライベートジェットについては受け入れ実績がほとんどない。都心に近くアクセスが良い神戸空港は非常にポテンシャルが高いと評価されているが、受け入れ日・時間が限られるほか、フライトプランの届け出期日の設定に問題があることが影響している。このあたりは国の理解と協力を得ながら改善していきたい。
 神戸空港も18年4月から、コンセッションにより空港施設とともに関西エアポート神戸に運営を委託し、実質的には関空・伊丹・神戸3空港の一体運営が実現した。経済的なメリットのほかに、関空・伊丹の国内線との連携、路線の充実、専門人材の育成などを目指す。


◇利活用促進へ関空、伊丹と連携

 先般、地元の経済界や自治体、国土交通省も入った関西3空港懇談会で、神戸空港に関して合意形成がなされた。①短期的には運用時間を1時間延長し、1日の発着回数を40便・80回まで増やす。プライベートジェットの受け入れも推進する②中期的には万博が開かれる25年までに、関空・伊丹空港を補完する観点から国際化を含む空港機能の在り方を検討する③今後も懇談会を年1回程度開催し、状況に応じて必要な課題を議論する―というのが合意内容だ。これを踏まえ、活用策を検討していきたい。
 次に、神戸市、神戸港の強みを含め、神戸空港の需要増や都市の活性化に寄与するプロジェクトを紹介する。まずはクルーズ。フェリーやクルーズ船の大型化に対応し、ターミナル拡張へ埋め立て事業を行い、神戸港に豪華客船を誘致したい。空港と連携したフライ&クルーズもできるだろう。受け入れ環境の整備やおもてなしの充実を進めつつ、神戸空港のインバウンド客増加に取り組んでいきたい。
 また、阪神大震災で被害を受けた都心・三宮の再整備を進めることで、全市経済への波及効果をつくり出し、民間投資を呼び込む。庁舎の建て替えやウオーターフロント地区の再開発も行い、ターミナル機能の強化と回遊性の向上を図る。陸・海・空の交通の要衝という観点からは、大阪湾岸線の高速道路整備も予定されている。これにより、渋滞を避けて関空から中国・四国・九州まで行けることになる。
 交流人口拡大に向け、神戸空港利用促進協議会は、神戸空港・関空・伊丹空港を利用するツアーなどへ助成してきたが、今後も強化していきたい。また、神戸市は淡路島にも近い。淡路市、洲本市、南あわじ市との連携協定を先般締結し、圏域の有効活用、地域資源の有効活用にも取り組んでいる。
 神戸市もローカル・トゥ・ローカルの観点から空港の運営に取り組み、活性化に向けて可能性を追及していきたい。

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