日本は今、人口減少や少子高齢化という問題を抱えている。今後50年ぐらいの間に人口は約30パーセント、生産年齢人口は約40パーセント減ると言われている。定住人口は1億3000万人ほどであり、1人当たりの年間消費額は127万円というデータがある。人口が1人減ると年間消費額は127万円減ることになる。一方、日本を旅行した外国人は15万円ぐらい使う。8人来れば経済効果は同じになる計算だ。国内旅行者で補う場合は宿泊旅行なら23人分、日帰りなら73人分だ。国内外との交流人口を拡大することは地方創生の切り札となる。
 外国人旅行者の94%は成田、関空など七大空港から入国するが、地方空港のシェアも順調に伸びている。外国人旅行者は訪日回数が増えるほど地方に行くので、地方への波及を拡大していく必要がある。旅客の流れを図式化してみると、(A)首都圏空港から地方空港 (B)ダイレクトで地方空港(C)地方空港間―がある。この3パターンに沿って私たちの取り組みを紹介する。
 Aに関しては、羽田の飛行経路を見直し、来年3月29日から国際線を1日当たり50便増やす。また、羽田からの地方路線を増やすため、国内線の発着枠も来年夏から見直す。具体的には、5年ごとの使用期限が来る来年1月に各航空会社から19枠を回収。このうち16枠を地方路線に頑張って取り組んでいるかどうかという観点から評価し、再配分する。16枠は幹線には使わないという条件付きだ。残り3枠と増枠分の2枠の計5枠も、自治体と航空会社がパートナーを組んで需要喚起策を提案する「政策コンテスト」を実施し、評価が高いところに地方発着枠として付与する。コスト軽減の支援策として、地方便を対象に羽田着陸料や航空機燃料税の軽減措置も講じている。

◇国際線誘致へ環境整備

 Bについては、空港コンセッションという形で民間への経営委託を進めている。滑走路とビルの一体経営、着陸料の柔軟な設定などを通じて増便しやすい環境をつくるのが狙いだ。政務官の話にもあったように、全国27空港を訪日誘客支援空港に指定し、地方空港に国際線が入りやすい環境整備にも取り組んでいる。昨今は、発着枠を用意できても、搭乗客や荷物の取り扱いをするグランドハンドリングが人手不足から手当てできないという課題も発生している。この問題では、航空局と観光庁が国際線誘致推進本部をつくった。航空会社の系列を越えて余力を融通し合い、一便でも多く国際線を受け入れる方策を進めている。
 最後にCの地方空港間の路線強化という観点から、今進めている政策の一つ「持続可能な地域交通の実現に向けた協業の促進」を紹介する。離島航空は競争原理が働きにくく、むしろ航空会社が協業することで持続可能なサービスが提供できるのではないか。例えば、日本航空や全日空がコードシェアを実施して旅客をみんなで集めてきたり、機材を統一して整備・運航コストを最小化したりするとか。こういったことを離島航空の分野から進めていき、それ以外でもその枠組みを活用できるようになれば、ネットワークの拡張につながっていくだろう。この考えに立ち、有限責任事業組合(LLP)を設立する取り組みを九州を中心に進めている。

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