本日のセミナーで取り上げる地方空港とリージョナル航空は、地方創生実現の一つの大きなキーワードになるのではないか。地域を活性化させ、地方の人口減少を食い止めるためには定住人口を増やすことが必要だが、これは現実問題として難しい。一方で、交流人口を増やすことは比較的取り組みやすいテーマだ。その場合に地方空港、リージョナル航空が役に立つ。
 交流人口増加のために有効なのは、一つはインバウンドを増やすこと、もう一つは地域同士の交流だ。地域同士の交流を深めれば、互いの文化が切磋琢磨(せっさたくま)し、新しいエネルギーやビジネス・文化が生まれる。フジドリームエアラインズ(FDA)も地方で生まれ今年で10周年を迎えることができた。FDAを始めたのは、地域間交流の活発化のためには地方と地方を直接結ぶ航空路線が欲しいと痛切に感じていたからだ。
 現在の日本では、東京や大阪といった大都市を起点とし、地方都市を放射状に結ぶ路線は完璧な形でできている。しかし、地方の人間から見るとこれは非常に不便。われわれも静岡に空港ができる前、北海道や四国、九州へ行こうとすると、新幹線に乗って品川で乗り換え、羽田まで行って飛行機に乗らなければならなかった。また、羽田や大阪のような大きなターミナルは、高齢あるいは子ども連れの方には負担が大きい。

◇乗り換え負担なく目的地に直行

 地方空港やリージョナル航空は近くの空港から乗り換えなしで直接目的地に行けるという点で、地方同士の交流を気軽に進めるために非常に大事な役割を担うことになるだろう。今までの航空ネットワークは、クモの巣で言うと縦の放射線状の部分だ。われわれが今皆さまとやろうとしているのは、この横糸の部分と言ってよいのではないか。
 チャーター便の分野も重要なので注目してほしい。チャーター便は就航先のフレキシブルな変更が可能。夏なら北海道、冬なら南の島々など、需要の多い路線を選んで飛べる。結果として、年間を通じて非常に安定したお客さまを確保できる。全国の空港から一つの空港に向けて多くのチャーターを飛ばせば、大きなパワーとなる。われわれが手掛けている「稚内チャーター」は全国27の空港から計340便を飛ばし、約2万人の利用があった。お客さまに大変喜んでもらっている。
 われわれは現在14機を運航し、この12月にはあと2機導入の予定。飛行機は全て色が違う。それぞれの地域がそれぞれ独自のカラーで輝いてもらいたいという思いを込め、こういうマルチカラーのコンセプトにしている。FDAは地方で生まれて地方の皆さまに育ててもらったエアラインだ。政府の一つの目標である地方創生の実現に向け、微力ながらお手伝いしたい。

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