◇三つの格差

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 先ほど、北海道観光振興機構の堰八会長から、北海道の現実の話がありましたが、ひがし北海道は、さらにシビアなんです。
 ひがし北海道は、季節格差、東西格差、地方格差という三つの格差があります。非常に厳しい状況です。

◇ひがし北海道の現実

 季節格差をオフシーズンとトップシーズンでみると、2.5倍以上の差があります。
 道央集中に伴う東西格差に加えて、ひがし北海道内でも地域格差があります。空港、JR、観光資源の有無により、中核都市と近隣とに差が出るのです。そこで地域のネットワークづくりと地域のコンテンツ整備は欠かせません。
 道東は、面積で北海道の50%を占めます。ですが、北海道の集客シェアでは国内のお客さまで16%、外国人のお客さまに至っては6%に過ぎません。
 北海道は、街歩き観光として小樽、札幌、函館が便利だというので、プランニングされてきました。そういうマーケティングの事実があります。
 海外からのお客さまも、近い国は旅行日数が短いんです。ですから、道央に集中し、なかなか道東に来てもらう機会がないんです。

◇課題克服の可能性

 そのような中、2003年から観光庁の広域観光周遊ルートの取り組みが始まりました。
 道東は唯一無二の自然に恵まれています。奥へ行くほど深まる北海道の多様性。欧米に似た風土。
 アイヌ言葉のあいさつ「イランカラプテ」(あなたの心にそっと触れさせていただきますという意味)に代表されるオープンスタンス。
 2倍速で進む季節の移ろい。移動の際に本州の2倍と感じるスピード感。道東には、こうした魅力があります。
 私ども連携DMOは、より奥へと、ルート整備を進めます。いろいろなものの商品化を進めます。20年の千歳空港民営化を軸に、道東をどう活性化させていくかが大きなミッションです。
 日本にDMOはたくさんありますが、交通DMOとしているのは、さほどありません。

◇商品として可視化

 道東は九州と同じ大きさですが、道東という行政体はありません。行政に直結した仕組みがわれわれにはありません。
 安定した収入を得るためには、民間事業者の共同戦略が欠かせません。
 北海道の資源である流氷、氷平線、ジュエリーアイスなどが、アクティビティーやSNSのフォトスポットとして非常に有名になっています。
 しかし、コンテンツを並べただけでは来ていただけません。商品として可視化しないと、どうしようもない状況にあります。
 そこで、海外からのお客さまに見せていくために、拠点周遊の商品をつくり、食やアクティビティーの情報を発信する仕掛けを用意しています。札幌からの観光オプションは、三つのウェブサイトで展開しています。
 海外向けにも、各国と連携もしながら、情報発信、販売、SNS解析など、それぞれ、実際のデータを分析し、地域の観光事業者の収益化をベースに全体設計をしています。

◇羽田への期待

 海外から道東へ来るのは、海外から北海道へ来る方々の6%しかいません。
 日帰りでもいいから、2日間のドライブでもいいから、一度は道東に来てよと、オプションの仕掛けを考え、実際に来てもらえる機会をつくるのが大きなテーマです。
 5400円という乗り継ぎ料金や、1万800円という羽田空港からの増便は、一つの動脈かなと考えています。これは羽田のハブ空港としての機能ならではです。
 今後、札幌に傾注していない国に、ダイレクトにひがし北海道へ来てよという戦略を取るとき、羽田を使いたいと考えています。
 われわれは、地上交通をマネジメントする中で、この特異なエリアを、皆さんから注目していただけるような地域構成に組み立てていきたいと頑張っています。

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