◇羽田空港の現状

 国際機関などの各種予測では、世界の航空需要は、現在の13億人から2030年には18億人へと増大するとされています。中でも、アジア地域で非常に高い伸びが見込まれています。
 わが国では、17年に国内線需要が1億人を突破しました。そのうち、羽田空港が全体の6割を占めました。
 一方、国際線需要は9555万人で、その約5割を羽田空港と成田空港の首都圏空港が占めました。
 首都圏空港からは、訪日外国人の約4割が入国しています。羽田空港の航空便は、1日当たり国内線が約500便、国際線が約110便です。
 羽田空港は世界19カ国31都市、国内48空港と結ばれています。世界からお迎えしたお客さまを、直ちに国内の各地へ運んでいく。同空港は、そういう機能が期待されています。
 実際、羽田空港から入国した訪日外国人が首都圏以外を訪問する割合は、年々増え、今では約半数となっています。
 また、訪日回数が多い旅行者ほど、地方を訪問する割合が高く、羽田空港には、ハブ空港としての機能がますます求められています。

◇機能強化の必要性

 訪日外国人の増加、産業・都市の国際競争力強化、地方各地の一段の活性化。そういうことを考えますと、首都圏空港は、さらなる機能強化が求められています。
 世界の都市の競争力ランキングというのがあります。現在、東京はロンドン、ニューヨークに次いで世界第3位です。
 ただ、大きな要因である交通アクセスを見てみましょう。上位2都市はいずれも国際線の年間発着数が100万回を超えています。一方、首都圏空港は75万回にとどまっています。
 まず20年に羽田、成田でそれぞれ年間約4万回の増便を行い、加えて、滑走路の増設などによって年間約16万回の増便をし、首都圏空港として年間100万回を達成、ロンドンやニューヨークに負けない機能を持つような空港にしていきたいということです。
 そのことにより、単年度にとどまらない継続的な経済波及効果、税収増加、雇用増加が見込まれます。

◇飛行経路の見直し

 羽田空港では、基本的に東京湾の上空を使って離着陸を行っています。増便を実現するには、4本の滑走路が井桁の形をしている独特の形状から、需要の高い夕方の3時間限定で、都心上空を飛行経路とする必要が出てきました。
 そのため現在、段階的に騒音対策、安全対策、情報提供を行い、地元へ繰り返し説明を行っています。
 具体的には、防音工事の対象拡大や着陸料の選定に騒音の要素を加味し、低騒音機の導入を進めるなど騒音対策を充実させました。
 また、安全対策としては、世界初の試みとして、落下物防止基準を策定するとともに、機体チェックの強化、情報の整備現場への通知徹底などに取り組み、被害者救済の制度も整えました。

◇省力化・自動化を推進

 飛行経路の変更、そして増便に伴い、ターミナル整備の準備を進めています。お客さまにストレスフリーで移動していただくため、そして、セキュリティー強化のため、先進的な対策を行っています。
 自動化ゲートや顔認証といった最新の機器を導入し、その他最新の技術を活用して、バックヤードを含めた空港全体の省力化、自動化を推進し、機能強化につなげていく考えです。

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