成田が結ぶ地方と世界~LCCがもたらすインバウンド新時代~

LCC次世代戦略プレゼンテーションⅢ
 春秋航空日本株式会社 取締役会長 ワン ウェイ 氏

先進国並みの中国都市人口1.4億人

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 当社は、中国人インバウンド事業に注力している。先週金曜日に日中両国首脳による大きなフォーラムが北京の人民大会堂で開かれ、2019年以降に日中間でさらなる提携といった話が出て大いに盛り上がった。われわれ日中のインバウンド事業者としても、これからもっと多くの中国人インバウンドを迎えられると期待している。

 「爆買い」とかいう話もあったが、今はモノよりもコトという風にお客さんも成長しているし、団体から個人の旅行に変わりつつある。17年度も735万人くらいが中国から日本には来ているが、そのお客さんはどこから来たかというと、ほとんど上海から出て来ている。

 上海は経済が一番進んでいるところでもあり、アウトバウンドの人口も一番多い。続いては成都で、LCCが成都路線を豊富に持っており、海外に行く地方のお客さんが増えていることが分かる。行っている先は、今はタイが一番で年間980万人。続いて日本、韓国、ベトナム、インドネシアで、やはりLCCの路線、便数と同じ順になっている。観光客にとって一番大切なのは安全だが、中国では日本の安全性への評価が高い。

 海外旅行にどういった形で行くかということだが、特に春秋航空チャイナが飛んでいる日本線とか韓国線、ベトナム線を見ると、個人旅行客が9割以上だ。1人当たりのGDPがおよそ1000ドルになると観光をし始め、3000ドルになるとリゾート志向になり、6000ドルになると海外志向となる。

 14年代に日本向けのアウトバウンドが増えたのは、1人当たり8000ドルと、ちょうどアウトバウンドが一番伸びていく経済水準になったことがあると思う。今の中国の経済水準を都市別に見ると、6000ドルというこれから海外に行き始めるのは150都市。1万ドル以上が65都市で、先進国並みの1万5千ドル以上の都市は24ある。この24都市の人口を合計すると1.4億人になる。


中国からの訪日客数に大きな伸びしろ


 スプリングジャパン(春秋航空ジャパン)としては、やはりこうしたマーケットを狙い、成田を起点にして、より多くのお客さんを成田経由で訪日できるように路線展開とか考えているところだ。

 16年の中国人アウトバウンドは1億3千万人で、今年は1億5千万人近くになるが、日本に来ているのはごくわずかだ。一番多く日本に来ているのは香港とか台湾、韓国で、香港は3人に1人が毎年日本に来ているし、台湾は5人に1人、韓国は7人に1人。中国は200人に1人しか来ておらず、まだまだ伸びる余地がある。

 今年の国慶節の7連休は昨年と違って、日本がダントツで1位になった。春秋航空グループは、10年7月に初めての国際線として茨城路線をスタートした。春秋航空は1981年に旅行会社として上海で作られたが、航空会社は2007年の設立。130以上の中国国内路線を持っており、国内線の年間利用者は1500万人くらいだ。春秋航空日本ではボーイング6機を含めて全体で87機。本拠地は上海で、石家荘とか瀋陽といった第二空港も使って運航している。日本では関西空港と成田空港をベースにしており、関空は春秋チャイナが、成田空港は当社がベースとしている。

 国内線に関してだが、われわれとしては日本のLCC未開発地、特に九州についてはLCCが飛んでいない県ほど人気がある。佐賀県は、知事さんらが九州各地で佐賀空港、春秋航空の宣伝していただいていることに御礼申し上げたい。われわれとしては、日中関係がさらに身近な存在であるようにとの期待を込めて、「春風で空を羽ばたけ、となり町」ということで、終わらせていただきたい。

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