成田が結ぶ地方と世界~LCCがもたらすインバウンド新時代~

LCC次世代戦略プレゼンテーションⅠ
 Peach Aviation 株式会社 執行役員事業戦略室長 轟木 一博 氏

極限までの運賃下げがLCCの本質

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 20歳から30代前半の女性の層をマーケティング用語では「F1層」などと呼ぶが、これがわれわれのメインのお客さんで、利用振興のツールはSNSを通した口コミになっている。彼女らのSNS発信には非常に大きな発信力がある。これらとどう付き合い、取り込んでいくのかが大きな事業の柱になっている。

 当社は「空飛ぶ電車で、Peachする?」なんていう言葉を使っている。電車のように気軽にお手軽なお値段で乗っていただくという趣旨だ。安全については愚直なまでにしっかり守る。その上でサービスと名のつくようなものは、一つ一つ切り捨てるか、必要とする方には有料で買っていただくことを突き詰めて、ベースの運賃を極限まで下げていくのがLCCの事業の本質だ。

 これにより新しい需要が生み出され、移動先各地で経済波及効果をもたらすと理解している。当社の路線ネットワークは「A320」という180人乗りの飛行機単一で、航空路線は4時間を一つの目安として回している。関東でのプレゼンスはまだまだだが、関西空港では国内、国際線ともにナンバーワンの運航本数に成長し、国内外の需要をつかんできた。

 LCCと言われる航空会社は関西3空港の中で関空だけに飛んでいる。注目してほしいのは、LCCが飛び始めた11年度以降、関空の路線と旅客数が大きく伸びる中で、伊丹、神戸というLCCの飛んでいない空港でも減っておらず、むしろ増えている。ここにこそLCCの価値がある。搭乗率は就航以来、85%以上を維持している。なるべく広告予算は使わずに、話題を作ることで知っていただくというようなことをやっている。

 安全を維持し、コストをしっかりマネージしたことで、会社もしっかり利益を上げて、13年以来ずっと増収、黒字を確保している。当社のお客さまの男女比率は女性が53%。女性の方が多く、20代、30代が中心というところも特徴だ。国際線に占める外国人の搭乗客は70%で、日本人のアウトバウンドよりも外国人のインバウンドのお客さまが圧倒的に多く、急速に拡大する外国人観光客の拡大にも貢献できていると自負している。


需要創出型アプローチは新しいステージに


 当社が拠点を置く関西では、自治体などを含めた4者一体の地域連携モデルと名づけられている。LCCの運航やお客さまの誘致に、新関空会社と周辺の公共交通機関、自治体が一体となって協力していただいた。これにより、新しい需要が生み出され地域が潤った。

 LCCのお客さまにどうしたら来てもらえるかだが、口コミの影響力が圧倒的に強いので、いかにお客さま(候補)同士のコミュニケーションが活発になるか、その中でいかにポジティブな印象を持ってもらえるかに力を割いている。

 当社としては、需要創出型で新しい路線を作っていくというアプローチが新しいステージに入ったと思っている。ますます地域のみなさんと連携をして需要を顕在化させ、採算を取って路線を作っていく段階に入ってきている。

 当社とバニラエアの統合については、今年度中にバニラをピーチの100%子会社にした上で、19年度中にリソース統合を完了させる計画で、両社の強みの統合を図って一体化していく。成田空港に拠点の一つを置き、関東エリアにさらなる路線の展開を図っていくのは間違いない。関西に生まれ、関西を中心に育ってきた当社が関東に本格的な路線展開をする。これにより新しい動きを起こし、気軽な旅を浸透させて、国内、国際ともに航空路線の活性化を続けていきたい。

第一部 【LCC次世代戦略プレゼンテーションⅡ】ジェットスター・ジャパン株式会社 取締役常務執行役員 藤岡 秀多 氏 >>