iJAMP 自治体観光セミナー2018 地方空港の活用とリージョナル航空の可能性を考える ~新たな観光ニーズを探りわが街に人を呼び込め!~

パネルディスカッション

リージョナル航空で地域を活性化させる

モデレーター:北海道大学公共政策大学院特任教授 石井 吉春 氏
パネリスト:富士山静岡空港社長 出野 勉 氏
       フジドリームエアラインズ社長 三輪 徳泰 氏
       宮城県土木部次長 金子 潤 氏
       北海道稚内市長 工藤 廣 氏

◇旅客を送り込む努力

【石井】北海道も、飛んで来てもらいたい、人を送り込んでほしいというニーズは非常に強いが、自分が行くところはあまり強くないというギャップがある。そうした点について、うまくいっているとか、こんな努力をしていることはあるか。

【三輪】やはりイン、アウトが50対50というのが理想的だと思うが、現実にそうはならない。ただ逆に言えば、私どもの機材が80席ぐらいという小さなものであるということがキーなのかなと思っている。
 大手はだいたい150席以上180席ぐらいの機体を使っているが、私どもはその半分ぐらいの機材だから、そういった意味では、需要開拓に少し時間がかかるとしても、全体的なリスクは低く抑えられるのかなと感じている。

【石井】三輪さんの発言を受けて、それぞれの空港の路線誘致に向けた取り組みについてお話いただきたい。

【工藤】地方の活性化に結び付けるのであれば、何としても飛行機を飛ばしたいし、飛んで来てほしいという思いを強くしている。その意味では、FDAには大変感謝している。われわれもお客さんを送り込む努力は続けていきたい。
 これまで単独で路線開拓というお願いを繰り返して取り組んできたが、今度は北海道の7空港のコンセッションといったようなネットワークを活用した、リージョナル航空で結ぶ新たな提案もできるようになるのではないか。7空港が手を携えて提案ができれば、道全体で、この問題に向かっていけるという思いを強くしている。

◇イン・アウトが違う空港でもいい

【出野】静岡県の場合は、1時間半圏内に約560万人の市場があるので、アウトをいかに増やしていくというのも一つの課題になっている。アウトを増やすことにより路線の安定化を図っていく。そのためには静岡空港の利便性の高さを静岡県民だけではなくて、周辺住民にも示していくことが必要なのかなと思っている。
 エアラインからの要望に応えるときに、ハンドリング会社の問題が非常に大きく、誘致の場合、ハンドリングをやっていただけるかどうかが重要な問題になってくる。静岡空港は、鈴与系列の会社にハンドリングをやっていただいているので、常にそのハンドリング会社と話をしながらやっている。
 広域観光も大事だ。静岡空港でイン、アウトというのは、空港会社にとってはありがたいが、お客さまにとって同じ空港でのイン、アウトはあまりいい選択ではない。違う空港でもいいのではないかと思う。リージョナル航空がそのインとアウトを結ぶ一つの路線としても考えられるのではないか。

【石井】空港にとってのマーケットはどこまでかということと、実際に住んでいる方がそれをどう認識しているかについては差があるようにも思う。

【出野】山梨県の場合だが、一般的にいうと羽田空港へ行く。しかし、時間と距離を考えたら、明らかに静岡空港の方が近いわけで、もっと山梨の方に知ってもらわなくてはいけない。このため、静岡県も山梨県に出掛け行って、いわゆるエアポートセールスをやることも必要かと思うし、神奈川県西部、愛知県東部などにも展開していかなければいけない。

【金子】仙台空港の動きの中で、行政が取り組んでいるのは運用時間の延長。われわれも今は朝7時半から午後9時半までの14時間という運用時間でやっており、ここに至るまでは10時間、11時間、14時間と延長してきており、その都度、地元に説明をしながら時間をかけてやってきたつもりだ。
 仙台空港については24時間化を目指して、地元に説明を始めている。24時間化空港になれば、国内外のLCCをはじめとするさまざまな路線の誘致に有利になると思っている。

◇航空法上では「それ以外」

【石井】リージョナル航空の課題と、さらなる発展について議論したい。

【三輪】航空行政上の定義によれば、定期運送を行う航空会社は100席以上、最大離陸重量50トン以上というところに線があり、これを「特定本邦航空事業者」と呼んでいる。私どもは80人乗りぐらいで40トンぐらいの機体だから、航空法上では「それ以外」という、われわれからすれば釈然としない区別になった。
 一方、全国地域航空システム推進協議会というのがあって、ここでそれ(100席)以下の部分をコミューター航空という名前でひとくくりにしている。私どもの運航形態と目指しているところを言えば、100席以下50席以上、重さは50トンにいかないぐらいの機材について「リージョナル航空」というカテゴリーをつくっていただければありがたい。
 大手は大都市を中心にした確固たるネットワークをつくっている。私どもの場合は、もっときめの細かい、横糸のような仕事が役割なのではないかと感じている。いろいろ相まって、地域の発展や航空産業全体、航空輸送事業全体の拡大に少しでも貢献できればと思っている。

【出野】静岡空港はもともと成田、羽田、セントレア、関空への路線は持っていない。今年3月29日から出雲に毎日1便飛ぶようになった。陸路では6時半から7時間かかるところに、1時間ちょっとで行けるようになったということで、新しい地域交流が始まっていることは間違いない。静岡県民にとって、新幹線ではない行き方で地域との交流を始めることが、経済交流や観光はもちろんだが、文化交流、教育交流にもつながっていくのではないかと思っている。

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地方同士が直接交流

静岡県副知事 難波 喬司 氏

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観光立国に地方空港の役割大

国土交通大臣 石井 啓一 氏

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国内航空客が1億人突破

国土交通省 航空局 航空ネットワーク部長 久保田 雅晴 氏

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「お客さま満足度日本一」を

富士山静岡空港 社長 出野 勉 氏

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FDAチャーターが回復支える

北海道稚内市長 工藤 廣 氏

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地域間交流で地方を発展させる

フジドリームエアラインズ 会長 鈴木 与平 氏

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【パネルディスカッション】
リージョナル航空で地域を活性化させる

北海道大学 公共政策大学院 特任教授 石井 吉春 氏など