時事通信社は2018年10月10日、東京・銀座の時事通信ホールで「iJAMP自治体観光セミナー2018」を開催した。タイトルは「地方空港の活用とリージョナル航空の可能性を考える 新たな観光ニーズを探りわが街にひとを呼び込め!」。訪日観光客数が史上最多を更新する一方で、自治体間の観光客誘致競争が激化、地方空港の多くが苦しい運営を迫られていることを受け、どうやって人を呼び込むかなど、具体策について活発な意見交換を行った。
石井啓一国土交通相はあいさつで、人口減少時代に地域の振興を図るには、より一層の交流人口の拡大が必要とした上で、このセミナーが「リージョナル航空や地方空港の発展、ひいては将来の地域振興の実現を見据えた有意義な時間となるよう」期待を寄せた。セミナーはフジドリームエアラインズ、鈴与、JTBが協賛した。
本日のテーマである地方空港、リージョナル航空の持つ意味について、フジドリームエアラインズ(FDA)の鈴木与平会長の考えに大変感銘を受けているので、鈴木会長の著書の内容を少し紹介したい。 ・・・
本日はお招きいただくとともに、ご挨拶の機会をいただいたことに感謝する。本日のセミナーのテーマは「地方空港とリージョナル航空の可能性を考える」というものだ。地方創生や、観光立国を目指すわが国においては、地方航空路線や、地方空港の果たす役割は大きなものとなる。・・・
国内の航空旅客輸送の動向だが、1995年の利用者は7810万人。2000年は9198万人で、航空法の規制緩和が行われ、路線ごとの免許や運賃も基本的に自由になった。06年は9697万人でいったんピークをつけるが、東日本大震災があった11年は7905万人に落ち込んだ。・・・
富士山静岡空港は開港からちょうど10年目に入った。近年、中国便が急増し、一時期は中国便だけで15路線にもなった。羽田に入りづらいエアラインが入ってきたほか、東京と大阪の間にある利点もあったかと思う。・・・
東日本大震災を受けた震災特例でいろんなことを認めてもらえると思い、チャレンジした。その中の一つに仙台空港の民営化があり、政府に働き掛けて実現した。仙台空港からは、国内線が11路線で1日55往復、海外は3路線で19往復飛んでいる。・・・
稚内は、日本のてっぺんで、43キロ北にはロシアがある。基幹産業はかつての北洋漁業から、今は沿岸漁業に代表される漁業。内陸部では生乳生産の酪農に最も力を入れている。これらに観光を加えた三つが柱となって発展してきた。1949年に市制を施行、今年70年を迎える。・・・
政府が進めている地方創生で一番の課題になっているのが、定住人口の減少をどう食い止めていくかということかと思う。その中で、われわれリージョナル航空や地方の空港の果たす役割が、どこにあるのかを考えてみたい。・・・