iJAMP自治体実務セミナー レポート

訪日観光客をいかに地方に呼び込むか 〜モノ消費からコト消費へ海外のインバウンド戦略に学べ〜

【地方の先進的取組の紹介/DMOの取組】

宮崎県日南市長 﨑田 恭平 氏

◇民間人の登用推進

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 「創客創人(新しい需要である客を創り、その客を幸せにする仕組みを創れる人材を育てる)」を掲げる宮崎県日南市長の﨑田恭平氏は就任以来、民間人の登用を積極的に進めてきた。その一人がまちなみ再生コーディネーターだ。NHKの朝の連続ドラマの舞台にもなった伊東家5万1000石の城下町、飫肥(おび)のまちなみ再生のコーディネーター業務を担当する。飫肥が評価されている点は二つある。「一つは伝統的建造物群保存地区を中心に現代風の建物を建てず、景観を壊すような改修をしないことで町並みを維持、保存していることだ。二つ目は小学生や中学生が笑顔で観光客にあいさつすることだ」と﨑田氏は言う。

 とはいえ、古い家の維持や保存は難しく、一戸当たり数千万円の費用がかかることもある。まちなみ再生コーディネーターは就任2年で3棟の建物を再生した。このうち2棟は昔の武家屋敷を旅館に造り変えたものだ。﨑田氏は「2棟で1億2000万円かかった。約8600万円の資金を地元の宮崎銀行と政府系金融機関から調達し、残りの約3400万円は文化庁の補助金などを使って行った。市の予算は必要最小限で二つの建物が旅館に生まれ変わり、お金も落ちて新たなものに生まれ変わった」と振り返った。

 﨑田氏は外国クルーズ船の寄港にも触れた。油津港は地元企業などが利用する工業港であるためクルーズ船の寄港日数などに制約はあるが、17年の大型クルーズ船の寄港は5年前に比べ約3倍に増えた。「ただ、日南市は人口5万3000人の小さな市なので、1回に5000人、6000人という客を受け入れられない。もっと深みのある観光地となるためには近隣の市町としっかり組んでいくことが大事だ。このため、県南部の9市町に声をかけて広域の観光協議会を立ち上げた」

 「意識しているのは目先の爆買いにとらわれない、ということだ。そもそも日南市に爆買いするような大きなデパートはなく、しっかりと外国人観光客に選ばれる観光地を目指していきたい」と話した﨑田氏は、特徴的な取り組みとして高校生による観光案内ボランティアを挙げた。

 外国人観光客に観光案内を行った生徒たちは「多くの外国人が訪れる自分の町に対し誇りを持つようになり、この町がもっと好きになった。英語だけでなく自分のふるさとについても勉強したい」と話し、﨑田氏は「インバウンドによる経済効果だけでなく、若者の郷土への誇りや魅力の再発見にもつながった」と語る。

長崎国際観光コンベンション協会 事務局長兼DMO推進本部長 外園 秀光 氏 >>

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