iJAMP自治体実務セミナー レポート

訪日観光客をいかに地方に呼び込むか 〜モノ消費からコト消費へ海外のインバウンド戦略に学べ〜

【地方の先進的取組の紹介/DMOの取組】

北海道帯広市長 米沢 則寿 氏

◇アウトドアに特化したDMO

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 北海道帯広市長の米沢則寿氏はアウトドア活動に特化したDMO「デスティネーション十勝」を設立した経緯や狙いなどについて語った。「地方創生のコアは何かと言えば稼ぐ力であり、事業を創造するしかない。そして事業創造の鍵になるイノベーションは同質のムラ社会の中からは生まれないので、外の血を使ってかき混ぜなければならない。しかし、主役は十勝に根を張る人材でなければならない」

 こうした発想を具体化した「とかち・イノベーション・プログラム」の体制を主催するのは帯広信用金庫で、北海道銀行や北洋銀行が共催となっている。「大きな銀行の人たちは転勤でいなくなる。地域に根ざした人たちでノウハウをためていこう」という考えからだ。米沢氏が「革新者」と呼ぶ外部の人材については野村総合研究所の協力を得た。2年間で20の事業構想が出され、このうち6事業で法人化した。「ベンチャーキャピタルに携わった私から見ても驚異的な確率だ」と言う。

 この中の「アウトドア・バレー・プロジェクト」は、十勝をアウトドアのメッカにしよう、そのための会社をつくろうという民間人の声を基に生まれたプロジェクトだ。観光資源の調査や顧客ニーズの調査、民間の人材受け入れなどを行い、今年4月にDMO設立にこぎ着けた。デスティネーション十勝の形態は株式会社。その理由を米沢氏は「責任体制が明確だし、ルールがしっかりしている」と説明した。電通やJTB、アウトドアメーカーのsnow peakなどが株主となり、出資した。「お金を入れると、必ずコミットしなければならない。上場企業の持っているガバナンスの影響をきちんと受けるビジネススタイルにしなければならないと思った」と力説した。

 今年1月には、ホテル並みのサービスを利用しながら自然の中で快適に過ごすキャンプ「グランピング」を試験的に実施した。この時は1泊2日だったが、来年は厳冬期に2泊3日で行う予定だ。費用は30万~50万円だが、米沢氏は「30万円は決して高くない。日本航空(JAL)の国内線機内誌でも特集された。ぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。

【地方の先進的取組の紹介/DMOの取組】 宮崎県日南市長 﨑田 恭平 氏 >>

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