iJAMP自治体実務セミナー レポート

訪日観光客をいかに地方に呼び込むか 〜モノ消費からコト消費へ海外のインバウンド戦略に学べ〜

【各国のインバウンド戦略に学ぶ】
「イギリスのインバウンド戦略とFarmstayUK(農泊)」

東洋大学 社会学部 教授 青木 辰司 氏

◇農村民宿の品質保証―英国

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 「日本と英国は同じ島国という点で似ているところは多いが、一方、観光業でいえば逆だ。日本では農家の民宿のレベルが低く、ホテルのレベルが高い。英国では、地方の農村民宿の方がレベルが高く、首都ロンドンのホテルはレベルが低い」

 東洋大学教授の青木辰司氏は、こんな刺激的な言葉で講演を始めた。コッツウォルズや湖水地方は日本人観光客にも人気があるスポットだ。青木氏は「カントリーサイドという言葉を私は田園地域と訳している。その美しい景観、豊かな動植物の生態、ゆったりとした暮らし、美しい家並みなどが英国観光の大きな魅力になっている」と話した。「英国のインバウンドはドイツと同じようにゆっくり増えている。日本は急激な右肩上がりで、これが欧州と日本のインバウンドの決定的な違いだ。急ごしらえのインバウンド増加の危うさを私たちは認識すべきだ」と指摘した。

 青木氏が最も重要なポイントだと強調したのが、農家民宿への「品質保証支援」だ。英国農家民宿協会(ファームステイUK)が専門的な組織に委託し、客のクレーム処理などに当たっている。抜き打ち検査もその一つで、調査員が客のふりをして協会の登録農家に泊まる。その目的は農家民宿をランク付けするだけでなく、改善すべき点を丁寧にアドバイスすることだ。青木氏は「こうした取り組みの効果が、英国の農家民宿全体の質を高めている」と力を込めた。

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