iJAMP自治体実務セミナー レポート

訪日観光客をいかに地方に呼び込むか 〜モノ消費からコト消費へ海外のインバウンド戦略に学べ〜

【各国のインバウンド戦略に学ぶ】
「ドイツのインバウンド戦略」

ドイツ観光局日本支局長 西山 晃 氏

◇地方誘致に成功―ドイツ

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 日本と同じ世界を代表する産業立国でありながら地方への外国人観光客誘致を成功させているのがドイツだ。14年の観光統計によると、ミュンヘンやフランクフルト、ハンブルクなど11大都市の外国人延べ宿泊日数は約45%と5割を切る。それ以外の地方に分散して外国人が宿泊しており、人口1万人以下の自治体が約22%のシェアを占める。パリへの「一極集中」が目立つフランスとは対照的な状況だ。日本の主要旅行会社18社によるドイツの企画募集型ツアーは夏が84都市、冬が79都市に上り、大都市以外の需要も大きい。

 ドイツ観光局日本支局長の西山晃氏はこうした数字を紹介しつつ、代表的な成功例に「ロマンチック街道」を挙げた。ドイツで最も人気がある観光街道で、28の小さな町が加盟している。全長は410キロ、ハイキングルート480キロ、サイクリング専用路4460キロに及ぶ。第2次世界大戦での敗戦から5年たった1950年、ブルツブルク、ローテンブルク、アウツブルク、フュッセンの市長や観光局長が協会を設立し、このブランドを立ち上げた。

 「一つ一つの町は小さいし、金もない。ブランディングも大変だったが、こうしたらいいのではないかと知恵を絞ったのが今の結果につながっている」と西山氏は語った。最初はドイツに駐留する米国兵士とその家族向けに宣伝し、成功を収めた。西山氏によると、1974年に東京に事務所を開設した際の最初のプロモーションがロマンチック街道だったという。「1976年に女性誌が取りあげてくれ、軌道に乗った。宿泊外国人客は毎年増え、今は日本人が一番多い」。ただ、この観光ツールは後世に勝手につくったものではない。西山氏は「ローマ帝国時代の交易路だったという史実を軸にしてストーリーをつくり、新しい魅力を加えている」と強調した。

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