iJAMP自治体実務セミナー レポート

訪日観光客をいかに地方に呼び込むか 〜モノ消費からコト消費へ海外のインバウンド戦略に学べ〜

【基調講演②】
「地方創生に向けた取り組み」

日本政府観光局(JNTO)理事長 松山 良一 氏

◇外国人目線が大事

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 次に基調講演した日本政府観光局(JNTO)理事長の松山良一氏が強調したのは「外国人の目線」だ。静岡県富士吉田市の新倉山浅間公園は、外国人観光客に人気がある。富士山に桜、京都の寺を思わせる五重塔が同時に観ることができるフォトスポット。この魅力を発見したタイ人がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信したところ、口コミで評判が広まった。松山氏は「日本人はここの良さをほとんど知らなかった。それをタイ人が訪れて知った。外国人の目線で良いかどうかが非常に大事だ」と強調した。

 訪日外国人数が2桁の伸びを続ける中で、政府は20年に4000万人、旅行消費8兆円という目標を掲げた。松山氏は「今後は量と観光の質両方を向上させていかなければならない。そのような中、政府の目標では初めて消費額の目標も設定された。もう一つは、観光を基幹産業に育てようということが大きな特徴だ」と説明。自治体の関係者に対し、外国人目線に加えて「魅力を訴える時に、あれもこれも売り込むのではなく、『わが魅力はこれだ』と絞り込む。当然だが、単独ではなく、広域で連携して取り組んでもらいたい」と要請した。

 爆買いの沈静化が象徴するように、「モノ」消費から「コト」消費に移っている。訪日外国人の関心対象が「体験」にも拡大していることに言及した松山氏は「体験型ではそこにストーリーを持たせ、広域でやることが非常に大事だ」と述べた。その場合も、「新しいことを始めるのではなく、ある意味でありのままの日本人の生活を体験してもらい、興味を持ってもらう。そこで感動してもらい、できれば財布のひもをちょっと緩めてもらう」。シャイな日本人が会った外国人の顔から目をそらすと冷たい印象を与えることにも触れ、「笑顔で外国人をお迎えする。ここも非常に大事だ」と述べた。

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