事例報告③

「ICTを活用した災害対策におけるNTT東日本の取り組み」

東日本電信電話株式会社
ビジネス&オフィス営業推進本部 公共営業部 担当課長

伴野 淳志氏

◇災害時Wi―Fiに力点

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 NTT東日本ビジネス&オフィス営業推進本部公共営業部担当課長の伴野淳志氏は、東日本大震災、昨年4月の熊本地震、同8月の台風10号におけるNTTグループの取り組みを紹介した。具体的には、災害伝言サービスの実施やや災害時公衆電話(特設公衆電話)の設置、スマホの貸し出しなどだ。

 注目したいのは災害伝言サービスである災害伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(Web171)の推移だ。東日本大震災では171の総アクセス数(録音と再生)が約348万件だったのに対し、Web171の閲覧数は約21万件。熊本地震になると、171の総アクセス数約8万件に対しWeb171が約13・3万件と比率が逆転した。電話からWi―Fiを活用したWebへの流れを踏まえ、伴野氏は「時代の変化だが、もはやインターネットのインフラは災害時には欠かせないものになりつつある」と指摘した。

 これを裏付ける材料の一つが、情報通信総合研究所が行った熊本地震に関するアンケート調査だ。災害直後の情報収集手段として活用されたのはインターネットの83・9%がトップ。防災情報伝達メール82・5%、家族や友人、知人からの電話やメール76・3%、テレビ74・8%、ツイッターやライン、フェイスブックなどのSNS68・3%を上回った。

 同調査では、災害時のWi―Fiについて「利用したい」が67・8%、「他のネットを利用する手段がなければ利用したい」25・4%と、両者を合わせ9割を超えた。伴野氏は学校や体育館など避難所における情報通信手段の確保について「災害時公衆電話はもちろんだが、Wi―Fiを使ってスマホで避難所、災害の情報を提供したり、情報を収集したり、Web171へ登録したりする。さらにWi―Fiとサイネージ(多くの場所で電子的な表示機器を使って情報発信するシステム)を絡めて災害・避難情報を提供する」と語り、Wi―Fiの活用に取り組む姿勢を強調した。

 一方、NTTグループは京都大防災研究所や新潟大危機管理室などと共同で被災地支援に関する研究を重ねてきた。伴野氏は「四つのボトルネックがある」とし、建物被害調査員の確保、大量の調査票のデジタル化、罹災証明書の円滑な発行、支援対象者の特定や公正公平な支援―を挙げた。これに対応するのが被災者生活再建支援システムで、岩手県が被災者台帳システム、京都府が罹災証明書発行と被災者台帳システムを導入した。東京都も、罹災証明書発行と被災者台帳システムの整備を検討中という。

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プログラム

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「首都圏の地震防災の現状と課題」

内閣府
政策統括官(防災担当)付
参事官(調査・企画担当)

廣瀬 昌由氏
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「首都直下を想定した神奈川県の対策」

神奈川県
安全防災局
安全防災部長

杉原 英和氏
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「ICTを活用した災害対策におけるNTT東日本の取り組み」

東日本電信電話株式会社
ビジネス&オフィス営業推進本部
公共営業部 担当課長

伴野 淳志氏
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「首都直下地震で自治体に求められる今後の防災対策」

東京大学大学院情報学環
総合防災情報研究センター長 教授

田中 淳氏
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トークセッション「どう進めるか、首都直下地震への備え」

【パネラー】
危機管理教育研究所 代表
(益城町防災アドバイザー)

国崎 信江氏など
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